卵の運動のようすを観察すれば、
分析力が身につきます。
すると、授業の実験の意味を
理解することができ、
子どもの理科的な探究力の向上に
つながります。
それどころか、
授業を超えて日常の中から学びを
得られるようになります。
逆に、この実験をしなければ、
現象を分析する力が身につかず、
実験の意味を十分に理解できないまま
授業を終えることになるでしょう。
私は、この観察を行うことで、
探究の過程
(疑問→課題→仮説→計画
→観察・実験→結果→考察→表現)
の基礎を子どもに身につけさせることができました。
また、
子ども同士が会話をしながら
授業が展開されるため、
班内の関係づくりもできます。
さらに、
探究の過程を一度経験することで
後の実験の効果が倍以上になります。
その卵を使った実験とは、
『生卵とゆで卵を見分ける』方法を考える実験です。
具体的な授業展開を説明すると、
はじめに見た目では判断がつかない
生卵とゆで卵を提示し、
どうすれば見分けられるかを
問いかけます(疑問・課題)。
次に、
生卵とゆで卵の違いについて考えます(仮説)。
違いを利用して判断する方法を計画し、
実験します(計画・実験・観察)。
実験結果から、
生卵とゆで卵を見分けるとともに、
結果の違いがなぜ生じたのかを考察し
発表してもらいます
(結果・考察・表現)。
これだけで、子どもの分析力は
格段に上がります。
この1授業を行うだけで、
その後の実験の効果は
倍以上になることでしょう。
+α〔生卵とゆで卵を見分ける方法〕
①卵を回す
ゆれながら回る→ 生卵
きれいに回る → ゆで卵
②転がす
だんだん縦回転になる → 生卵
ずっと横向きに転がる → ゆで卵
なぜ、運動のようすが違うのか?
ゆで卵は中が固まっていないので、
卵黄が運動するときに移動して
重心が変わります。
それによって、ゆれたり、
運動の向きが変わったりします。